
社内でクラウドサービスをいろいろテストしてみようということでとりあえずAmazon WEB Serviceでできることを調べてみました。
探してもEC2とS3以外はなかなか情報がでてこないため簡単にまとめておきます。
調査対象は
・Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)
・Amazon Simple DB
・Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)
・Amazon CloudFront
・Amazon Simple Queue Service(Amazon SQS)
・AWS Premium Support
・Amazon Flexible Payments Service(Amazon FPS)
・Amazon DevPay
・Amazon Mechanical Turk
・Amazon Fulfillment Web Service(Amazon FWS)
・Amazon Associates Web Service
・Alexa Web Information Service
・Alexa Top Sites
詳細は以下から
1.Amazon Elastic Compute Cloud(Amazon EC2)
概要:
・仮想専用サーバー(VPS)のホスティングサービス
コスト:
・一番安いものでサーバー利用料は$0.1/時間
・回線利用料はデータ転送量に応じて課金。IN:$0.1/GB~、OUT:$0.1/GB~
・固定IPアドレスの割り振りはサービスを利用していない間は有料。$0.01/時間
メリット:
・専用サーバーなどと異なり、必要としなくなったものについては停止すれば料金を支払わなくてすむ
・将来のデータ量の増加を見込む必要がない(簡単にすぐ増設できる)
・料金が安い
・稼動率99.95%のSLA(サービス品質保証契約)を提供
・サーバの負荷などによって柔軟に構成台数を変えることができる
・サーバの立ち上げが数分で可能で、AMIという設定ファイルを保存することでサーバーの複製コピーが簡単。新しいサービスを多く立ち上げるベンチャー向き
・必要なサーバを必要なときに必要な分だけ用意でき、必要になれば1分で調達。不要になれば1分で破棄
・サーバのセキュリティがあらかじめ用意されており、設定する必要がない。セキュリティレベルの選択をするだけでよい。
・単純にサーバを追加すればそれに比例して処理性能がアップするように設計されている
デメリット:
・通常のレンタルサーバーと比べて価格的に必ず安いわけではない(用途による)
・サーバをshutdownしたら、サーバのデータはすべて消滅する(rebootは大丈夫)
・Amazon EBSかAmazon S3を併用するのが前提
・サーバがアメリカとヨーロッパにあるため,日本からだと遅い(対策として「CloudFront/後述」がある)
・Amazonが提供するサービス自体に問題があると、不可避でトラブルに遭う
・仮想サーバであるため、サーバにアクセスする入り口は管理者、ユーザに関わらずひとつしかない。また、物理的な機材を追加することはできない。
・簡便であるが故に、無計画にサーバを増やしすぎたり、設定作業が怠慢化するワナ
2.Amazon Simple DB
説明:
・巨大で単純なデータベースサービス
・構造化されたデータ上でリアルタイムでquery操作が可能
コスト:
・利用料は$0.14/h
・データ保存に1GB当たり$1.50/monthを課金
・データの転送料は$0.10~$0.18/GB
メリット:
・使っただけの従量制課金
・アマゾンS3・EC2と緊密に連携しており、全部が一つになってクラウド内のデータセットの保存・処理・クエリー機能を提供
・webサービスのため導入、管理、バックアップ不要
・スキーマを使うことなく,データを自動的にインデックス化して管理でき、メタ情報などを付加した構造化データも扱える
・どちらかというと疎結合のサービス構築に向いている
デメリット:
・あまり安くはない
・システムやDBの初期設定、トラフィックの増大に伴うチューニングをユーザー自身でしなければならない
・Amazon独自のAPIでアプリケーションを作らねばならない
3.Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)
説明:
・大容量のオンラインストレージサービス
・ホスティング型のストレージサービスで、Webアプリケーションで利用するデータを保存できる。
・データ転送料/リクエスト料をデータ要求実行者に課金できる「Requester Pays Buckets」の提供を開始。
コスト:
・データ転送料は
データのupload料金が
$0.1/GB
データdownload料金は1GB単位の従量課金で月間のトラフィックにより下記のように料金が異なる
$0.17/月(~10TB)
$0.13/月(~50TB)
$0.11/月(~150TB)
$0.1/月(150TB超)
・ストレージ利用料は1GB単位の従量課金で月間のトラフィックにより下記のように料金が異なる
$0.15/月(~50TB)
$0.14/月(~100TB)
$0.13/月(~500TB)
$0.12/月(500TB超)
・データ処理のリクエスト回数に対しても下記のように課金される
$0.01/1,000回(PUT)
$0.01/10,000回(GET)
メリット:
・必要なだけ使える従量課金式
・容量無制限でデータの増加に対し、面倒なサーバー追加の作業を行わなくてよい
・高トラフィックにも耐えられる
・Amazonインフラなので信頼性がある
・簡単なAPIを利用することで利用可能
・Amazon自身のWebサイトと同程度の信頼性を確保し、99.99%のアベイラビリティを誇る
・障害が発生した場合にもダウンタイムなしに復旧される
デメリット:
・APIでの提供なので何らかのツールが必要となる
・海外のサーバーのためそんなに速くない(対策として「CloudFront/後述」がある)
・ちょこちょこ使うストレージとしてみると使いづらい
・ファイル操作は基本GET/PUT/DELETEしか用意されていない
・移動・名前変更を行おうとするとGET→名前を変えてPUT→DELETEとなるのでムダがある(時間的にも金銭的にも)
・過去に大規模な障害に見舞われ、復旧に3時間以上がかかるというトラブルが発生した。インフラを他者に依存するリスクは存在
4.Amazon CloudFront
説明:
・CDN(Content Delivery Network)サービス
・一言で言うとS3用のキャッシュサーバー
コスト:
・日本のエッジセンターを利用した場合のデータ転送料課金
$0.220/GB first 10 TB / month data transfer out
$0.168/GB next 40 TB / month data transfer out
$0.147/GB next 100 TB / month data transfer out
$0.137/GB data transfer out / month over 150 TB
・リクエスト数課金
$0.013/10,000リクエスト
メリット:
・コンテンツが設置される世界14ヶ所のエッジサーバに日本も含まれている
・制的ファイルをキャッシュするため高速にファイルを配信することが可能
デメリット:
・オリジナルサーバー側でファイルの内容を更新あるいは削除しても、エッジサーバーには、すぐ反映されない。
・エッジサーバー+ユーザー間が1回しかないと、S3->エッジサーバーの転送料+エッジサーバー->ユーザー間の転送料がかかる。かつ転送速度も速くない。
・日本に置かれたサーバの料金が一番高い。
・自前でsquidなどを構築すればそれほどコストは変わらない可能性も
5.Amazon Simple Queue Service(Amazon SQS)
説明:
・分散コンピューティングのメッセージングをおこなうWebサービス
・インターネット経由でデータを安全に送信するシステムを開発者に提供する
・開発者がAmazon.comサーバ上でホストされるキューデータ構造を作成することを可能にする
コスト:
・$0.0001/1メッセージ
・転送量$0.20/1G
メリット:
・キュー構造を利用することにより、世界のどこからでもアプリケーションが互いにデータ共有することができる
・メッセージの送信、受信は、単純な REST ベースの HTTP リクエストを使用してどこからでも行える
・インストールや構成が必要ない
・Amazon Web Services との統合性に優れている
・SQS が提供する認証メカニズムを使用することで、キューに入れられたメッセージを無許可のアクセスから保護することができます
デメリット:
・いまのところ特になし
6.AWS Premium Support
説明:
・Amazon S3、Amazon EC2、Amazon SQSの3つのサービスに対して提供される
・有料サポートには、シルバーとゴールドの2種類が提供される。
・シルバーサポートでは、営業日中のテクニカルサポートを提供。返答までの時間は、深刻なトラブルが発生した場合には4営業時間以内、それほど深刻でない問題の場合には2営業日以内。
・ゴールドプランでは、24時間の電話サポートが提供される。返答までの時間は、緊急の場合には1時間以内。
コスト:
シルバーサポート
・月額$100
・Amazon Web Serviceの各種サービス利用料$1あたり$0.10
(の2つのうち高いほうが適用される)
ゴールドサポート
・月額$400
・Amazon Web Service各種サービスの利用額$1あたり$0.01~0.20
(の2つのうち高いほうが適用される)
メリット:
・「Service Health Dashboard」でサービスの運営状況が「緑」「黄」「赤」で表示され、トラブルか発生しているかどうかを容易に確認できる
・ユーザーは利用するサービスの情報を選んでRSSフィードを登録できる
・開発者フォーラム、テクニカルFAQ、リソースセンターを含む無償の「AWS Basic Support」は提供を継続している
デメリット:
・最近、大規模な障害が何回か発生し、こうしたWebサービスに大きな影響を与えている
7.Amazon Flexible Payments Service(Amazon FPS)
説明:
・柔軟なオンライン決済サービス
・AmazonのWebサービスAPIを使って独自の決済サービスを構築し、自身のサイトに組み込んで、商取引や寄付の受付、定期的な支払い処理などに利用できる。
コスト:
・3月15日までにAmazon FPSに登録し、6月1日までに決済アプリケーションを立ち上げた開発者は、90日間無料で支払い処理ができる(ただし、取引額合計50万ドルまで)。
(※2009年2月6日現在)
メリット:
・利用には初期費用などは掛からず、取引ごとに料金を支払う
・Amazon FPSを使った決済サービスでは、Amazonに登録済みのユーザーは、Amazonのログイン情報や配送先情報を使って支払いをすることができる
デメリット:
・現在はlimited betaの状態
8.Amazon DevPay
説明:
・Amazon EC2上で動かすサービスに対して開発者が課金する手段を提供。
コスト:
・請求金額の3.0%
・$0.30/請求書
・顧客からお金を集められなかった分については課金しない
・Net Liabilityという制度もある(S3/EC2の支払い金額を合わせてマイナスにならないように補填する)
メリット:
・基本料金・手数料なし
・付加価値の高いデータを保持する企業などは、そのデータセットを公開することで収益を上げる方法を確保できる
・データを公開する提供者はストレージ利用料だけ支払い、転送量に応じたトラフィック課金は発生しない
デメリット:
・現在limited betaの状態
・Amazon S3か、EC2を使ったアプリケーションでなければいけない(順次他のサービスも追加予定される)
9.Amazon Mechanical Turk
説明:
・ソフトウェアに実行させる処理のうち、人間の方が得意と思われる単純作業を開発者がウェブ上に掲示する
・人的タスクをAPIとして提供
コスト:
・開発者とユーザーの仲介料として開発者に支払った対価の10%
メリット:
・非常に小額でも人を集めることができる。
・単なるジョブマッチングではなく、仕事そのものができてしまう「職場」になっている。
・Web APIによってソフトウェア連携ができる。
デメリット:
・Amazonがサービスをモニターしない不介入の姿勢をとっており、不満が依頼者に向けられる
・アメリカでは、労働法や税法上の問題で非難の声もある
10.Amazon Fulfillment Web Service(Amazon FWS)
説明:
・企業が自社のサイトからAmazonの配送ネットワークを利用できるサービス
・中小企業向け受注処理サービス「Fulfillment by Amazon」用のAPI
コスト:
・Fulfillment by Amazon(有料)の提携企業に無償で提供
メリット:
・企業はオンラインを介して,Amazon.comの受注処理業務インフラを簡単に利用できる
・Fulfillment by Amazonの利便性を拡大し,企業が自社Webサイトあるいは販売チャネルとFulfillment by Amazonを統合して,オンラインで在庫補充や出荷要求などが可能
・リアルタイムで受注をAmazon.comに流し,出荷や配送追跡,在庫管理といった一連の業務を委託できる
・オプションで,ブランド付きラベルを用いた商品梱包も可能
デメリット:
・通常の小売と違って、仕入れを行わないため利益率が低くなる
・個人情報を持つことができないことが多い
・個人情報を持てないとリピーターの囲い込みができない
・手元に商品がない状態で売るため、商品のことがよくわからない
・配送はベンダー、サービスプロバイダ任せなので、リードタイムの管理がしづらい
11.Amazon Associates Web Service
説明:
・書籍情報などを提供するAPI群
・Amazonの商品情報を利用して独自のEコマースサイトを作成する
コスト:
無料
メリット:
・同時にアソシエイト・プログラムに参加すれば売り上げの何パーセントかを得ることもできる
・自分のwebサイトに関連するAmazonの商品を宣伝することができる
デメリット:
・ECSの仕様の変更や追加が多く対応が面倒なことがある
12.Alexa Web Information Service
説明:
・Alexaで提供されているWebページに関する情報を返すAPI。
コスト:
・$0.00015/1リクエスト
・毎月10,000リクエストまで無料
メリット:
・特定のWebサイトのトラフィックランキング、アダルトコンテンツの有無、表示スピード、関連するWebサイトのリンク集などを入手したり、そのサイトが含まれているブラウズカテゴリーを取得できる。
・特定のWebページから出て行くリンクと入ってくるリンクをデータとして取得できるため、そのサイトが他のサイトとどのような関連で位置しているのかをデータとして見ることができる。
・特定のwebサイトの今までのトラフィックデータを分析することができ、webサイトの特定のイベント時の影響を理解することができる。
デメリット:
・Alexa によるトラフィック情報は、それほど正確なものではない。しかし他に適当な指標もないことからウェブサービス同士の人気比較などに参照されるているのが現状。
13.Alexa Top Sites
説明:
・AlexaのWebページトラフィックランキングの情報を返すAPI
コスト:
・URL単位課金$0.0025/1URL
メリット:
・ランキングデータは世界規模のランキング、あるいは自国のランキングの利用が可能
・一度に100ページの一覧ページを提供することができ、1000、5000、または100000の
webサイトのランキングを任意のサイズで取得することができる
・ランキングからアプリケーションやサービスのトレンドを意識することができる。
デメリット:
・各国語で表示されるため文字化けする。
14.Alexa Site Thumbnail
説明:
・サイトのスクリーンショットを提供
・Webページを収集する中で同時にWebページのサムネイル画像を収集し、そのデータを有料Webサービスとして公開する
コスト:
・$0.0002/サムネイル
・サムネイル画像が存在しない場合には無料
メリット:
・異常に安い。100万リクエストでも$200程度
・一度のリクエストで複数ページのサムネイル画像を取得することが可能
・サイトにリンク先の情報を載せる際、URLに加えてサムネイル画像も簡単に載せることができる。
デメリット:
・ドメインのトップページのサムネイルしか得られない

